Dr'sコラム

ADHDの症状、子どもと大人の対処法、いつ薬を使うか

みなさまこんにちは。さいたま市の南浦和駅から徒歩1分の心療内科・精神科の南浦和駅前町田クリニックです。

今回は、ADHDの症状、子どもと大人の対処法、いつ薬を使うかと題してお伝えします。

ADHDの症状とは?

ADHDの症状には、①ミスや忘れ物が目立つ「不注意」と、 ②じっとしていられない、待てない、感情コントロールが上手くいかない、などが特徴の「多動・衝動性」 の2つに大きく分けられます。この2つ以外にも、③朝起きられない、夜更かししてしまう、などから睡眠覚醒リズムが乱れやすい、という特徴を持つ方も多いです。

ADHDの対応法とは?(お薬を使わない治療法)

①不注意については、メモを取って視覚化する、忘れ物をしないように朝持っていくものを玄関に並べておく、スケジュール表や目覚ましなど、種々の便利機能を使って生活管理をしっかりする、などの方法があげられます。

②多動・衝動性については、トラブルが起きた際に、その出来事について改めて振り返り分析して、より適切な対応法を考えて次に生かす、などの方法があります。

③睡眠覚醒リズムが乱れやすい については、小中学生ですと、ご両親が根気強く朝に起こしてくださっていることが多い印象です。高校生以上ともなると自分で生活管理を行う年齢ですので、入眠時刻を守る、起床時刻には目覚ましをいくつもかけておく、などの工夫をしている方が多いです。

ADHDのお薬治療をするタイミングとは?

お薬によらない対処法によっても、生活や学校、職場において不適応症状が強い場合には、場合によっては人生の一大事に繋がりかねませんので、お薬の使用を考えてみるのも一考でしょう。具体的には以下のような事例が考えられます。

①小中高生: 勉強の遅れからやる気を失う、受験の失敗、友人と適切な関係を築けずに自信を失って二次的にうつ状態になってしまう、不登校になってしまう、など。

②大学生:上記に加えて、単位を落として進級できず留年、退学につながる、就職活動を計画的に進められない、就職をあきらめてしまう、など。

③社会人:生活管理を適切にできず朝起きられず、遅刻や欠勤が度重なる、上司の指示をはき違えて的確に仕事を遂行できない、顧問先とのトラブルを引き起こす、など。

上記のような人生の重大な岐路においては、早めにお薬治療による介入をして、本人の本来の能力開花を促し多胞が、自信もやる気も回復し、周囲との人間関係にも良い影響が出ると言えるでしょう。

ADHDの治療薬とは?

現在日本で使える治療薬は以下の4つあります。但しビバンセについては、17歳までに使用した方のみ、18歳以降も使えるという制限があります。

★コンサータ:ドーパミン・ノルアドレナリン・再取り込み阻害薬

服用すると比較的速やかに奏功し集中力や注意力を高めてくれます。奏功感を自覚しやすいため服薬のモチベーションもわきやすいです。効果は約半日ですので、効き目がきれると自然に眠くなり昼夜のリズムが取りやすくなる方もあります。血圧や頭痛、動悸、などの心血管系の副作用に注意しましょう。

★ビバンセ:ドーパミン・ノルアドレナリン・再取り込み阻害薬

コンサータとよく似た作用をもちますが、コンサータよりやや緩やかに立ち上がるため作用時間が長いです。またセロトニンにも作用するため不安にも多少の効果があるかもしれません。コンサータと同じく、血圧や頭痛、動悸、などの心血管系の副作用に注意しましょう。

★ストラテラ(アトモキセチン):ノルアドレナリン・再取り込み阻害薬

ADHD薬の中では一番、じわじわ・ゆっくり奏功する薬ですので、最初はあまり症状がかわらなくても焦らずじっと待つ必要があります。(ADHDの方が苦手なことなのですが!)注意力が次第に改善してくると、周囲に気がつきやすくなる、配慮ができるようになる、コミュニケーションがとりやすくなる、段取りがつきやすくなる、整理整頓をしやすくなる、などの効果が表れます。嘔気や食欲低下の副作用が表れやすいですので、胃薬や制吐剤を併用することも多いです。

★インチュニブ(グアンファシン):α2ノルアドレナリン・再取り込み阻害薬

注意集中力を上げてくれるとともに、イライラや怒りっぽさ、気分のむら、などの多動・衝動性の改善が期待できます。効果発現までの期間は2週間程度とそこまで長くはありません。注意すべき副作用としては、血圧低下、眠気・ふらつきがありますので、元々低血圧の方は注意しましょう。

動画でも説明しています

ADHDの症状、子どもと大人の対処法、いつ薬を使うか

について、知っておいていただきたいことを動画にまとめましたので、ぜひご覧くださいね。

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