児童思春期外来

不登校は悪くない。児童思春期外来を受診してみましょう。

近年は、多様な価値観が認められ将来の生き方やキャリアも画一的なものではなくなっています。また発達障害についての知見が広まり、個人ごとに成長の仕方や早さ、目標が異なることがわかってきました。このような時代背景のなかで、従来の価値観に基づく学校教育との間で板挟みになり、適応不全傾向になるケースも増えていると言われます。
外に出るのが怖い、学校に行きたくない、人と接することに抵抗があるといった悩みを抱えているかたは、一度児童・思春期外来の受診を検討してみられることをお勧めします。

「すこしの勇気」を持って相談してみましょう

日本では従来から「不登校は甘え」「周囲になじめないのは本人の努力が足りない」といった価値観が浸透してきました。「今の状況を打開したい」「解決の糸口を見つけたい」と思っていても、児童思春期のストレスケアに関する情報が少なく、周囲の目が気になるなど、具体的な行動に移せない人も少なくありません。

専門外来では、発達の特性や性格・気質の傾向、環境要因や本人の気持ち、などを総合的に評価します。また、ご本人の気持ちによりそってケアをして参ります。「まだもう少し様子をみよう」「相談するほどではないだろう」などと考えている間に、大切な時間が過ぎ去ってしまうことのないよう、すこしの勇気を出してご相談いただけたらと思います。

こんな場合には児童思春期外来の受診を検討してください

児童思春期外来では、「朝たちくらむ。お腹が痛くなる、などの身体の不調で学校にいけない」「学校の前までくると嘔気がしてしまう」「クラスに入れない」「席に座っていられない・達歩き」「ノートをとれない・宿題ができない」「クラスメートと仲良くなれない」「友達とけんかをしてしまう」などのご相談を受け付けています。必要に応じて発達傾向を調べるスケールや心理検査、個性を調べる検査、等を行い評価をし、ご希望と必要性に応じてカウンセラーによる心理療法や児童思春期デイケアの導入も行っています。ぜひお気軽にご相談ください。

児童思春期デイケアでは何をするの?

児童思春期デイケアには多くのプログラムがあります。たとえば、塗り絵や様々な作業を通して集中力や創造性を養う活動、身体を動かし体力を養う活動、また心理士とのお話、認知行動療法を通してストレスコーピング力を高め心理的なしなやかさをやしなうプログラムもあります。なじみのあるクリニックのスタッフのもと、個人の症状や状態に合わせてプログラムに参加できます。

児童思春期デイケア利用までの流れ

児童思春期デイケアの利用にあたっては、まず医師による診察が必要です。診察によって不調が他の疾病に起因するものでないことを確認した後に、面談と体験利用を行い、本人とご家族が納得したら利用開始となります。
面談と聞くと堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、児童思春期デイケアはあくまでも社会で生きていく力を養う場です。学校の入試のように難しく考える必要はありません。面談は児童思春期デイケアがどのような場所であるかを十分に理解するためのステップだと考えましょう。

児童思春期デイケアで得られること

児童思春期デイケアでは、規則的な生活習慣、周囲の人との関わり方、集団生活への適応力などが得られます。これらは利用時間が決まっていて他の利用者がいるデイケアならではのメリットです。
その結果「情緒が安定した」「コミュニケーション能力や生活スキルが向上した」という声もあります。これは「学校とは異なる環境に自分の身を置き、専門的な知見が盛り込まれたプログラムに参加することによって、自分の価値を見出した」ととらえることにつながります。実際、児童思春期デイケアの利用で「自分は自分だから価値がある」という自信を持てるようになった先輩も少なくありません。

思春期における心の悩みは専門家に相談を

児童思春期における心の問題は、専門家に相談することで解決に向かう可能性が高くなります。実際、不登校など児童思春期の悩みを家庭内だけで対処するのは容易ではありません。個性を尊重した児童思春期デイケアのプログラムで自分らしさを取り戻しましょう。