Dr'sコラム

アスペルガー症候群の治療目標について

こんにちは。さいたま市南区の心療内科「南浦和駅前 町田クリニック」です。

「高機能自閉症」ともいわれるアスペルガー症候群(以下、AS)とは、学習、コミュニケーション、および行動の分野において独特の情報処理を行う、複雑で神経学的な症候群であるといえます。

これらの症候群は、「社会的認知に柔軟性が少ない」、「自己管理が下手」「感情調節をするのが苦手」などのコアな問題と、うまくいかないことから引き起こされる「自己肯定感の低下や怒り・苛立ち」、「抑うつや強い不安」などの二次的な問題につながります。

さてそんなASの方の治療を行うときに何を目標にすればよいでしょうか。実際のところ正解はなく、様々な症状をターゲットに生活上の適応を高める工夫をしていくことになるわけですが、「変えるべきことと変えなくてよいことは何か?」「ASの才能の強みを最大限に生かしつつ、ダメージを最小限にとどめるには?」ということを心掛けるのが大切ではないかと思っています。

もちろん二次障害に対しては「薬物治療」と「心理療法」の双方が有効ですので、「ASには治療薬がない」などと落ち込む必要もありません。

上記のようなことでお困りの方、これを読んで「なるほど!」と思われた方はどうぞお気軽にご相談くださいね。

 

タバコをやめられない理由、ニコチン依存症について

こんにちは。さいたま市南区の心療内科「南浦和駅前 町田クリニック」 副院長です。

タバコをやめたいのになかなかやめられない。それは、タバコの煙に含まれるニコチンが麻薬にも劣らない依存性をもつからです。どうしても喫煙がやめられないのは「ニコチン依存症」という病気のためなのです。ニコチン依存症という病気を意志の力だけで治すことは困難です。

タバコの煙には、4,000種類以上もの化学物質が含まれています。そのうち、発がん性物質は、なんと60種類もあります。また、喫煙を続けることで、寿命が10年間も短くなります。

タバコは美容にも悪影響があります。タバコを吸っていると皮膚のハリがなくなってきて、目じり・口周りなどのしわが増えます。そのため、実際の年齢よりも老けて見えてしまいます。

ニコチン依存症の治療は健康保険の適応が可能です。禁煙治療に健康保険を適用するために必要なことは、前回の治療の初回診療日から1年経過していることと「禁煙治療を受けるための要件」を満たしている必要があります。

タバコをやめて実感できる効果としては、咳や痰が止まった、呼吸が楽になった、味覚、嗅覚が鋭敏になり、おいしく感じるようになった、肩こりがなくなった、目覚めがさわかやになった、口臭がしなくなった、肌の調子がよくなった、などがあります。

お薬をつかった禁煙治療に興味がある方は、お気軽にご相談下さい。

線維筋痛症について

こんにちは。さいたま市南区の心療内科「南浦和駅前 町田クリニック」です。

今日は「線維筋痛症:Fibromyalgia」についてのお話です。
線維筋痛症とは、原因不明の全身の疼痛を主症状とし、不眠・うつなどの精神症状や、過敏性腸症候群・逆流性食道炎などの自律神経系の症状を随伴するもので、心療内科・精神科にも深く関係する病気です。

(発症年齢・男女差)
年齢は40~50歳台の方がもっとも多く、女性対男性の割合が8-9:1と圧倒的に女性に多いことが特徴です。長い間にわたる激しい痛みのため日常生活が困難になり社会的に大きな問題となっています。原因は今のところ不明ですが、遺伝的素因が少なからず関与するといわれています。

(発症の契機と経過)
発症のひきがねには、外傷や手術などの外的要因と、離婚や死別、解雇、経済的困窮などの生活環境のストレスに伴う内的要因に大別されます。パニック発作やPTSD(心的外傷後ストレス障害)に続発するケースもままみられます。

いずれの場合にも痛みが発症してからの経過こそが問題で、慢性ストレスがさらに痛みを引き起こし、痛みへの過感受性や痛みに関する認知のゆがみがおこり、不眠や抑うつが悪化していきます。

(治療)

*薬物治療
神経性疼痛に対する主な薬としては、プレガバリン(リリカ)やガバペンチン(ガバペン)、カルバマゼピン(テグレトール)などがあげられます。ほかにも、痛みと不眠に対してSNRI(トレドミンやサインバルタなど)やTCA(トリプタノールやノリトレンなど)、不眠や不安に対しては抗うつ薬のデジレルやリフレクス、抗精神病薬のセロクエルや抗不安薬のデパスやソラナックスが使われることもあります。高力価のBZ系抗不安薬についてはひろく日本では使われていますが、耐性・依存性を念頭において用量や期間に注意して使用することが望ましいです。

*非薬物治療

痛みや睡眠に対する認知のゆがみに働きかけるCBT(認知行動療法)、リラグゼーション、運動療法、ヨガなどが効果があることがわかっています。

上記のように線維筋痛症とは、「痛みそのもの」というよりは、痛みに続発する二次的な精神・自律神経症状、認知システムの異常が大きな役割を果たす疾患であり、心療内科・精神科での治療的役割はとても大きいと考えています。当院では種々の向精神薬による薬物治療のみならず、CBTやヨガ、運動療法なども行っております。皆さんどうぞお気軽にご相談くださいね。

妊婦のSSRI(抗うつ薬)使用について

こんにちは。さいたま市南区の心療内科「南浦和駅前 町田クリニック」です。

お薬を服薬することで日常生活や仕事の質が向上している方が、もし妊娠した場合にお薬はどうしたらよいでしょうか?なるべくなら薬をやめるか頓服だけにする、あるいは漢方薬にする、という方法で生活の質を保てればベストです。しかし、減薬するとどうしても抑うつやイライラ、日々のパフォーマンスが低くなってしまうため生活や仕事がなりたたない、という場合に薬を継続するリスクはあるのでしょうか?

2015年にフィンランドと米国で行われた妊娠女性への調査によると、妊娠女性の4-10%がSSRIの処方を受けていたそうです。
SSRI使用には早産・低出征体重児などの妊娠合併症がまれにあることは知られています。ただしSSRIを服用継続した妊婦と中止した妊婦をくらべると、妊娠初期では服薬継続群で帝王切開や早産のリスクが低く、新生児への合併症・先天奇形のリスクも高くなかったそうです。一方で妊娠中期や後期の服用群は、帝王切開のリスクは低かったものの、新生児アプガースコア(赤ちゃんの元気な度合をみるもの)悪化のリスクは高かったそうです。

この結果から、SSRIの服薬継続は、母体のうつ病に伴う新生児の低酸素や早産のリスク増大から保護する効果があると言えそうです。もちろん妊婦さんの病歴を考慮したうえで、個別に慎重に対処する必要があることはいうまでもありませんね。

当院では、妊娠・出産に伴う減薬や漢方薬への切り替えなどのご相談に柔軟に応じています。妊娠・出産は人生の一大事なので「絶対大丈夫」ということはありませんが、少しでもよいマタニティライフをメンタル面においても送れるべく、おひとりおひとりと向き合い努力しています。皆さんどうぞお気軽にご相談くださいね。

日中の過剰な眠気について

こんにちは。さいたま市南区の心療内科「南浦和駅前 町田クリニック」です。

日中の眠気は誰でも経験があると思いますが、あまりに頻回かつ長時間な昼寝は、日々の仕事・勉強・生活を大きく損なってしまいますね。今日は、健康な睡眠習慣を築く上で今すぐ行えることをみてみましょう。

①毎日定刻に床につく 
 忙しい毎日を送る人達には意外に難しいですが、睡眠時間の確保のためには最も重要なことです。通常大人は7-9時間程度、ティーネージャーは9時間の睡眠が必要と言われています。

②起床時間を一定にする
 定刻に入床するのが難しければ、せめて起床時間を一定にしましょう。それを数週間から数ヶ月続けることができるだけでも概日リズム(体内時計)を正常化できます。概日リズムの乱れは、睡眠だけでなく特に双極性障害のコントロールや心血管系にも深刻な悪影響を及ぼします。

③ベッドは寝ることだけに使う
 ベッドでスマホをみる、PCを広げる、TVをみる、ゲームをする、インテンシブな読書をする、などは快適な眠りを妨げる要因になります。これらの活動は勉強机、居間などで行うようにしましょう。

④健康的な食事を決まった時刻にとる。
 食事時間もまた、入床時刻/起床時刻とともに概日リズムを作る大切な要素です。

⑤日々のタスクを整理する。
 もし必要な睡眠時間を確保できないのであれば、スケジュールを見直しましょう。入床時刻を遅らせる原因になっている活動の中で、本当に重要ではないことがありませんか?思い切ってその時間を睡眠にあてましょう。

⑥毎日運動する。
 1日に20-30分の、できれば有酸素運動を行うことにより、より快適な睡眠が得られます。屋外の運動により1日30分日光を浴びることで、さらに睡眠への良い影響が得られます。

⑦入眠前のアルコールを避けましょう
 アルコールは入眠を早めますが中途覚醒しやすくなり、さらに深い眠りを妨げるため熟眠感を得にくくなります。

以上のような睡眠習慣を見直してもまだ問題が残る場合には、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー、特発性過眠症などの睡眠障害や、気分障害などの他の精神障害に関連する場合がありますので、専門家に相談しましょう。

当院では睡眠表を用いた睡眠リズムの調整や、睡眠時無呼吸症候群の診断・治療を行っており、検査は自宅に検査キットを送ってもらい気軽に行うことができます。睡眠のお悩みがある方はどうぞご相談くださいね。

無茶食い障害について

こんにちは。南浦和駅前 町田クリニックです。
今日は「むちゃ食い障害」についてお伝えします。

むちゃ食い障害とは、単なる食べ過ぎとは違います。また「神経性大食症」・「過食症」などと言われる障害とも区別されます。

単なる食べ過ぎの場合には日々の食事や会食の場面でも起こり、「食べることをコントロールできない」と感じるコントロール不能の感覚はむちゃ食い障害よりもだいぶ低いのですが、むちゃ食い障害においては、食べることに関してのコントロール不能感が圧倒的に高く、通常よりも非常に速いスピードで大量の食べ物を切迫感をもって摂取してしまいます。そしてそのあとに非常に強い不快感や自己嫌悪感、恥や罪の意識、抑うつ・不安感が起こります。

一方で「過食症」の場合には、抑うう・不安感が伴うのはむちゃ食い障害と同じなのですが、下剤乱用・事故誘発性おう吐などの代償性行為を伴います。

むちゃ食い障害とはけしてまれな病気ではなく、「意志が弱いだけ」とも異なります。実際にはもっと多いとされますがわかっているだけでも女性の3.5%、男性の2%に存在するといわれ、これは過食症の2倍の数にあたります。

むちゃ食い障害を未治療のままにしておくと高率に肥満・成人病、他の精神的障害を併発するため、放置することは危険です。「こんなことは人に言えない恥ずかしいことだ」という思いや「自分は食欲を抑制できない意思の弱い人間だ」というあやまった思いから相談できずにいることが、事態を悪化させてしまいます。

心当たりのある方は、心理療法や薬物療法で効果があるものもありますので、どうぞお気軽に南浦和駅前 町田クリニックまでご相談くださいね。今後もスタッフ一同、全力でみなさまの精神的健康をバックアップさせていただく所存です。

光療法は非季節性うつ病にも効果的

こんにちは。南浦和駅前 町田クリニックです。

今日は「光療法」についてのトピックです。

最近発表されたRCTというエビデンスレベルの高い大規模試験によって、高照度の光療法と抗うつ剤の組み合わせ治療は、非季節性のうつ病を有意に改善させることがわかったそうです。これまで季節性うつ病に光照射が有効であることは言われてきましたが、今回は非季節性うつ病にも有効であるという初めてのエビデンスを伴った報告です。

さらに軽症の患者さんにおいては、光療法単一療法と、抗うつ剤単一療法とを比較すると、光療法単一の方が効果があるとか。中等度以上の場合には、よく知られた抗うつ剤+精神療法という方法以外にも、光療法+抗うつ剤光療法+精神療法という組み合わせが考えられます。北欧には光療法ができるカフェというのもあるらしいですが、なかなか興味深いですね。

明るい光をたっぷりあびることは、睡眠覚醒リズムを整えますし、気分とやる気のアップにとても有効ですので、当院通院中の方々には、早起きや散歩を推奨させていただいています。

メンタルのお悩みがありましたら、どうぞお気軽に 南浦和駅前 町田クリニックまでご相談くださいね。これからもスタッフ一同、全力でみなさまの精神的健康をバックアップさせていただく所存です。

脳の炎症に関する新たな知見

こんにちは。南浦和駅前 町田クリニックです。

今日の話題は「脳の炎症」です。

2015年10月のAmerican Journal of Psychiatryという雑誌の論文によると、統合失調症の方および統合失調症のハイリスク群の方々の脳の免疫担当細胞が、一般の方に比べて活発な状態にあることが判明したそうです。

これは新たな知見で、アルツハイマー病やうつ病と同じく、統合失調症が顕在発症する前の段階から炎症に関係していることを示唆しています。本格的に発症する前の段階から予防的に治療を行うことがもし可能になれば、患者さんの予後が劇的に改善され、より豊かな人生を送ることが可能になるでしょう。

統合失調症に限らず、心療内科や精神科領域の病気は、「早期発見」「早期治療」が予後を大きく改善することがわかっています。

季節の変わり目に、ちょっとしたメンタルの異変を感じることがありましたら、どうぞお気軽に   南浦和駅前 町田クリニックまでご相談くださいね。スタッフ一同、全力でみなさまの精神的健康をバックアップさせていただく所存です。

 

思春期のストレスコーピングについて

こんにちは。南浦和駅前 町田クリニックです。

今回は「ストレスコーピングと精神疾患の予後との関連」について、ニューヨークの公立高校生を対象に前方視的に行われたスタディからのご報告です。

避けることのできないライフイベントにどのように対応(コーピング)するかというのは、その人の身体的・精神的な健康状態に影響すると言われています。

コーピングスタイルを大きく3つに分けると、A.ストレスフルな状況を変えようとする課題志向的なコーピング B.ネガティブな感情と自己非難を伴う感情志向性コーピング C.問題から注意を背けるような回避的コーピング があるとされます。以上の3つの中ではAがもっとも適応的なコーピングであるとされ、抑うつや不安、PTSD症状の悪化や物質(アルコールなど)乱用リスクが少ないと言われています。

今回のスタディでは、男女別に17才・24才・33才という3つの横断面でのコーピングスタイルと精神状態とが観察されました。その結果、①17才の時点で感情志向性コーピングを用いることは大うつ病および不安障害のリスクをやや高めること、②17才時に課題志向的なコーピングを用いることは物質乱用リスクを低めること、③年齢が上がるとともにより成熟的なコーピングスタイルをとること、がわかったそうです。

スタディはここまでで、考えてみると当たり前とも言える内容ではありますが、とはいえ17才といえばまだ思春期の真っ只中。人生の経験値も少なく、双極性障害や統合失調症の初期症状が出現する頃とも重なるような不安定な時期です。このような時期にストレスフルな出来事に遭遇して果たして課題志向的なコーピングができるのか?というと、そうでない場合も多々あることでしょう。

そんな時に町田クリニックのスタッフ一同は、ほっとできる環境の中でじっくりと寄り添い、少しずつクライアントさんの心が癒やされるようお手伝いしてゆきたい、と思い日々研鑽しております。

人生のさまざまな課題に直面している中高校生の方々、どうぞお気軽にご相談にいらしてくださいね。

 

ADHDについて

こんにちは。南浦和駅前 町田クリニックです。 今日はADHDについてのお話になります。

ADHDとは、Attention Deficit hyperactivity Disorderの略で、日本語では「注意欠陥・多動性障害」と言い、大きく分けると「発達障害」というカテゴリーに入ります。

正式にADHDと診断されるにはいくつか条件があります。それは、「DSM-5の診断基準(不注意症状9項目、多動・衝動性項目9項目のどちらか、あるいは両方を17歳以上では6項目以上、16歳以下では6項目以上満たすこと)に合致すること、症状が12歳未満から存在していること、社会生活や仕事、学業の面で機能が損なわれていること、ほかの精神的・身体的障害では説明できないこと」です。脳の病態説明としては、前頭前野、特に注意や実行機能をつかさどるノルアドレナリンの機能不全が関係していると言われています。

これでは何のことかわからない、という方が多いと思うのでもう少し具体的にみていきたいと思います。

小児では、「忘れ物が多い、気がちりやすい、不器用」などの不注意が目立つ子、「落ち着きがない、ささいなことで大声を出しやすい」などの多動・衝動性が目立つ子、そしてその両方がまざりあうタイプの子がいます。この特性のために家庭や学校でトラブルとなることがままあり、「決まった時間に自分から起きて身支度を手早く整える」ということが苦手なために「なまけている」と思われることもあります。

大人になるにつれて、ある程度自分の特性を客観的にとらえて知恵と工夫で補うことができるようになってきます。しかしながら、おおよそ小児のADHDの5~7割が成人期に症状を持ち越すと言われており、「段取りが悪く、遅刻しがち」「大切な約束を忘れてしまう」「対人関係がうまくいかない」「待てない。よけいな言動をしてしまう」などの悩みを持ちながら日々過ごしている成人期ADHDの方は意外に多いのです。

当院では、このようなお悩みを持つ方に対して、カウンセリングや心理検査、生活指導、そして必要に応じて薬物治療を併用しながら治療を行っています。現在日本でADHDに対して使える薬物にはアトモキセチン(ストラテラ)、メチルフェニデート(リタリン、コンサータ)があります。お一人お一人のおかれた状況を考慮しながら、副作用や注意点をご説明した上での適正使用を行っています。

ADHDや発達障害についてのお悩み・ご相談がある方はお気軽に当院までご連絡ください。