Dr'sコラム

社交不安症~症状と特徴、特有の思考、暴露療法と薬物治療

みなさまこんにちは。さいたま市の南浦和駅から徒歩1分の心療内科・精神科の南浦和駅前町田クリニックです。

今回は、<社交不安障害>の症状と特長、良く認める特有の思考や症状改善に有効な治療方法についてお伝えします。

1社交不安症の症状
社交不安症の方には、下記のような症状がみられます。

・社交的状況(会議や発表会など、他者の注目を集める場面)で強い不安を覚え、

・そのような状況を回避する、または耐え忍ぶ

・他者からの否定的な評価を恐れている

・自律神経症状・・動悸や手足のふるえ、発汗など

以上のような症状があり、日常生活や仕事において支障をきたす程になると、診断・治療が必要になります。

2社交不安症の方に特有の思考について

社交不安症の方々には、下記のような特有の思考があると言われています。

・社会をとても危険な場所であるととらえている

・高い社会的規範をもっていて、自分を縛る価値観をもっている

・ネガティブな面に着目しやすい

・回避するとまた不安が高くなる

とてもまじめできちんとしているとも言えますが、それかえって不安を生じやすくしているともいえますね。

3社交不安症の心理療法:暴露療法

治療法には、認知や行動に働きかける非薬物治療と薬物治療があります。
前者の中で効果が高いと言われているものが、暴露療法です。これは、

「社交的状況を回避せず、あえて暴露されてその不安に直面化して、慣れていく。」

というものです。回避をすると不安がさらに高まるという悪循環を避ける根本的治療となり得ます。

暴露療法を行うときには、スモールステップでチャレンジするのがコツですよ。

4社交不安症の薬物治療

症状が強くて社会生活に支障が出てしまう時や、暴露療法を始めたい時には、お薬の力を借りるのも一案です。

社交不安症の方の脳内で枯渇している、セロトニンを増やして社抗不安を感じにくくする、という方法です。

代表的な薬はSSRIですが、他にもいくつか下記のようなものがあります。

・SSRI : 脳内のセロトニンを増やし、不安を低下させる~パロキセチン、セルとラリン、エス下ロプラム
・SNRI : 不安を改善し、二次症状のうつ症状も改善させる~デュロキセチン、ベンラファキシン
・BZ系抗不安薬: 社交的状況に出る際に主に屯服として使用する~ロラゼパム、アルプラゾラムなど
・βブロッカー:  手足のふるえや動悸などの自律神経症状を緩和する~朝の出勤前や人前に出る前に屯服する

お薬は、うまく使うと症状が長引かずに短期間で改善しますし、二次的なうつ症状の出現も防いでくれます。

服薬するタイミングや用量、使用期間については、主治医とよく相談してみてくださいね。

<動画でも説明しています>

社交不安症の症状や特有の思考、心理療法と薬物治療について、
知っておいていただきたいことを動画にまとめましたので、ぜひご覧くださいね。

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