こんにちは、精神科医の町田なな子です。 今回は、糖尿病とうつ病について、お伝えします。
「血糖値」の問題である糖尿病と、「心」の問題であるうつ病。一見バラバラに見えますが、実はこの2つは切り離せないほど密接に関係しています。
脳は体の中で一番の「大食い」臓器
脳の重さは体重のわずか2%ほどですが、体全体のエネルギーの約20%を消費する非常に「高燃費」な臓器です。そのエネルギー源は「ブドウ糖」だけ。糖尿病で血糖値が乱高下すると、脳への燃料供給が不安定になります。すると脳は自分を守るため、真っ先に「やる気」や「前向きな思考」をシャットダウンして「省エネモード」に入ってしまうのです。やる気が出ないのは性格のせいではなく、脳の燃料トラブルという「生物学的なエラー」なのです。
2倍のリスクと「双方向」の関係
データによると、糖尿病の方はそうでない方に比べてうつ病になるリスクが約2倍高いと言われています。さらに、この2つは「双方向の関係」にあります。糖尿病のストレスが心を沈ませ、心の不調が血糖管理を難しくするという悪循環が起きやすいのです。だからこそ、気合ではなく医学的に心と体を同時にケアすることが大切です。
24時間営業の「脳疲労」
糖尿病の管理は、365日休みのない「マルチタスク」です。常に食事や数値を意識し続けることは、脳の空き容量(ワーキングメモリ)を常に占有し続けるようなもの。これを「糖尿病ディストレス」と呼び、患者さんの3〜5割が経験します。脳がパンク寸前の状態では、新しいことに取り組む余裕がなくて当然なのです。
心と体を整えるステップ
まずは自分を責めるのをやめ、しっかり寝るなど脳を休ませてください。そして、主治医には数値だけでなく「気分のこと」も伝えてみましょう。「薬を飲めた」「朝起きられた」といった小さな“できた”を積み重ねることで、脳は少しずつ元気を取り戻していきます。
動画でもわかりやすくお話ししています。ぜひチェックしてみてくださいね。



