ストレスでうつ病になる?原因と対処法~うつ病モデルから考える
2025年08月01日
南浦和駅前町田クリニック:精神科専門医 町田なな子 です。今回は「ストレスでうつ病になるのか?」をテーマに、
うつ病の原因(発症要因)と代表的な発症モデル、そして今日からできるストレス対処法
を分かりやすく解説します。
うつ病の主な原因(発症要因)
うつ病は一つの理由で起こるわけではなく、さまざまな要因が重なって発症します。
- 遺伝的要因:家族にうつ病の方がいるとリスクが高まります。
- 脳内物質の異常:セロトニンやドーパミンが不足すると気分が落ち込みやすくなります。
- 心理社会的要因:学校や職場でのストレス、人間関係の問題、孤独感など。
- 身体的要因:出産や更年期、慢性疾患が引き金になることもあります。
うつ病を説明する代表的な発症モデル
代表的な発症モデルには、モノアミン仮説、HPA軸異常モデル、神経可塑性低下モデル、炎症仮説、そして
ストレス脆弱性モデルがあります。人はそれぞれ「ストレスをためるバケツ」を持っていて、
遺伝や性格、幼少期の体験によって大きさが異なります。小さなバケツの人は少しのストレスでもあふれてしまい、
うつ病を発症しやすくなります。一方で、家族や友人の支えや健康的な生活習慣といった「保護因子」があれば、
バケツに排水口がついたようにストレスがたまりにくくなります。
今日からできるストレス対処法
特に仕事と育児を両立する世代や、忙しい会社員、ワンオペ育児の方におすすめの方法です。
- 完璧を目指さない:「できる範囲で大丈夫」と考えること。
- 小さな休息をとる:深呼吸、音楽、短い散歩などでリフレッシュ。
- 一人で抱え込まない:家族や友人、専門家に気持ちを話すこと。
うつ病は誰にでも起こり得る病気ですが、正しい知識とセルフケアで予防と回復が可能です。
毎日の生活に小さな工夫を取り入れて、心の健康を守りましょう。
動画でも説明しています
知っておいていただきたいことをわかりやすくお伝えしています。ぜひ今すぐチェックしてみてくださいね。
カテゴリ:Dr'sコラム