お子様と保護者のこころのケアの役割分担について
お子様自身の受診を必須とさせていただいております。
お子さん本人が自分自身の困り事として受診することは、治療の導入や効果、継続性にとって非常に大切な要素となります。
お子さんご本人の困り事と親御さんの困り事は、必ずしも一致しないもので、むしろ一致しないことの方が多いものです。また同じ家族といえどお子さんと親御さんはそれぞれ別の人格であるため、1人の治療者が双方の立場を同時に優先させることが難しいという状況が起こりえます。お子さんのいないところで親御さんと医師が話をしてその内容を本人に伝えない、なども非治療的であり、後々問題になってしまいます。
以上を鑑み、お子さんが受診者で親御さんがその付き添いである場合には、親御さんの子育て上のお悩みや親子間の葛藤については、お子さんの診療枠で扱うことが難しくなりますため、親御さんのカルテを作成の上で改めて別の診療枠を設けさせていただくことをお願いしております。
これらの事情をご理解いただけますと誠に幸いです。
注)たとえばお子様が受診目的をよく理解され心理的に自立されている高校生で、お子さんのことで親御さんからの相談はないなどの場合は、お子さんだけの受診で問題ありません。
親御さんのこころのケアについて
親御さんが、様々な困難を伴う育児のさなかで精神的に強い負荷がかかり悩んでいる時にどこに相談したらよいかわからない、という声をよくお聞きします。
ご家庭はお子さんが安心してすごせる基地であり、そのために親御さんのこころのケアは、お子さんの健全な成長や治療にとって非常に重要になってきます。
親御さんご自身が育児相談をされる場合
ご面倒をおかけしますが、まず親御さん自身のカルテの作成が必要となってきます。
お子さんの初診のタイミングで親御さんのご希望をいただければカルテ作成させていただきますし、医師の判断で親御さんのカルテ作成(受診扱いとなります)をご依頼させていただく場合もございます。予めご了承ください。
親御さんの受診の流れ
ご相談内容により、育児のストレスが強く不安症状やうつ症状が出て日常生活に少なからず影響が出てしまっている場合には、お薬(漢方を含む)を使うことをご提案させていただく場合もございます。
その場合にはお薬を服用されている一定期間は定期的な医師の診察が必要となります。
親御さんの心身の状態が比較的健康であって心理療法のみをご希望される場合には、別日に改めて心理士のカウンセリングの枠を予約させていただきます。心理療法の開始と継続には医師の判断が必要であるため、服薬がない場合でも、一定の期間ごとにカウンセリングとは別枠で診察に入っていただくことになります。
何卒ご了承いただけますと幸いです。