ご予約・お問い合わせはこちら048-764-9797

うつ病の職場での生産性への影響について~国際比較

こんにちは。南浦和駅前町田クリニックです。今日はうつ病の職場に与える影響を国際比較で紹介してみたいと思います。

うつ病は、職場において生産性を低下させる疾患として知られています。

この影響は主に次の二つの指標で表すことができます。

一つは「アブセンティーイズム」(休職や欠勤による生産性の低下)、もう一つは「プレゼンティーイズム」(十分に回復しない状態で復職・就労していることによる生産性の低下)です。

世界の8カ国(ブラジル、カナダ、中国、日本、韓国、メキシコ、南アフリカ、米国)のうつ病による「プレゼンティーイズム」、「アブセンティーイズム」を比べた2016年の研究によると、一人あたりの年間のアブセンティーイズムによるコストが最も低かったのが韓国で(181ドル)で、最も高かったのが日本(2674ドル)だったそうです。一方で、プレゼンティーイズムによる一人あたり年間コストが最も高かったのが米国(5224ドル)とブラジル(5788ドル)だったそうです。またプレゼンティーイズムによるコストはアブセンティーイズムによるコストと比べて平均5から10倍高かったそうです。

以上の結果より、うつ病による職場への影響として特にプレゼンティーイズムのコストが高いこと、但し日本では各国の風潮とは逆にアブセンティーイズムによるコストが圧倒的に高いことが示されています。

当院では、休職中・再就労活動中の皆さんのために「リワーク」をご用意しています。職場で想定されるストレスへの対処法や継続可能な働き方の提案、自己洞察ワークや復職後の方との交流など、様々な活動を行っています。ご興味のある方はぜひいらしてくださいね。

この記事を書いた人
町田なな子

 
略歴)
東京都出身
信州大学医学部卒業
東京医科歯科大学医学部大学院卒業 同附属病院にて初期研修
東京都医学総合研究所にて事象関連電位をテーマに博士号を取得
東京都職員共済組合青山病院・東京都立豊島病院・
東京都長寿健康医療センター・久喜すずのき病院等の勤務
医療法人七星会 南浦和駅前 町田クリニック院長
南浦和東口心療クリニック 統括院長

資格)
医学博士
精神保健指定医
日本精神神経学会 専門医 指導医
日本精神神経学会 認知症診療医
日本医師会 認定産業医

YouTubeでメンタルヘルスや発達特性についてのわかりやすい解説も行なっている

町田なな子をフォローする
町田 なな子 公式Youtube
Dr'sコラム