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ADHD治療薬について

皆様こんにちは、南浦和駅前 町田クリニックです。今日は最近一般にもよく知られるようになってきたADHD(注意欠陥多動性障害)の治療薬についてのお話です。

ADHDとは、「計画を立てたり優先順位をつけるのが苦手」「つめが甘くて最後まで物事を仕上げられない」「約束や用事を忘れる」などの不注意の症状と、「落ち着いていられない」「待てない」「つい余計なことを言ってしまう」などの多動・衝動性、どちらかまたは両方が小学校の高学年以前からみられて(ただし子供の頃に気づかれないことも多いです)、人間関係・学業・仕事での支障をきたしている場合に診断します。

治療薬には大きく分けると2種類あり、1非中枢刺激薬(日本ではストラテラが代表)と2中枢刺激薬(コンサータ)に分けられます。

非中枢刺激薬であるストラテラは比較的ゆっくりとしかし着実に、注意・認知機能を改善し、時に睡眠覚醒リズムや気分・不安にもよい効果が出ると言われます。一方で中枢刺激薬であるコンサータは不注意や多動・衝動性に対する確かな効果と、学業・仕事面での改善実績、および即効性が実証されています。全世界でのADHD薬の約7割のシェアを誇るのもその確実かつ早い効果によるものと考えられます。

ここで気になるのは、中枢刺激薬であるコンサータの心血管系に与える影響です。心拍数や血圧がごくわずかに上がるという作用は報告されているのですが、長期連用したときに重大な心血管系へのリスクにつながるのかについて、これまで数多くの追跡研究がされています。結論にはばらつきがありますが大まかに言うと、「心血管系のリスクがない方にとっては、重大な(致死的な)リスクの増悪は認められない」「ただし、重大ではない変化、例えば一過性の不整脈、脈拍上昇やその他の症状の発症頻度はやや上がる」とう報告が大多数を占めます。

いかがでしたでしょうか。ADHDとは正しく治療すれば、生活や人間関係、学業や仕事での達成度が大幅に改善するものであり、「そういう性格だから仕方ない」と放っておくべきものではありません。

薬の効果とリスクを正しく知って適切に使用すれば確実な治療効果が得られます。大人やお子さんのADHDでお困りの方は、どうぞお気軽にご相談くださいね。

この記事を書いた人
町田なな子

 
略歴)
東京都出身
信州大学医学部卒業
東京医科歯科大学医学部大学院卒業 同附属病院にて初期研修
東京都医学総合研究所にて事象関連電位をテーマに博士号を取得
東京都職員共済組合青山病院・東京都立豊島病院・
東京都長寿健康医療センター・久喜すずのき病院等の勤務
医療法人七星会 南浦和駅前 町田クリニック院長
南浦和東口心療クリニック 統括院長

資格)
医学博士
精神保健指定医
日本精神神経学会 専門医 指導医
日本精神神経学会 認知症診療医
日本医師会 認定産業医

YouTubeでメンタルヘルスや発達特性についてのわかりやすい解説も行なっている

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