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思春期のストレスコーピングについて

こんにちは。南浦和駅前 町田クリニックです。

今回は「ストレスコーピングと精神疾患の予後との関連」について、ニューヨークの公立高校生を対象に前方視的に行われたスタディからのご報告です。

避けることのできないライフイベントにどのように対応(コーピング)するかというのは、その人の身体的・精神的な健康状態に影響すると言われています。

コーピングスタイルを大きく3つに分けると、

A.ストレスフルな状況を変えようとする課題志向的なコーピング

B.ネガティブな感情と自己非難を伴う感情志向性コーピング

C.問題から注意を背けるような回避的コーピング

があるとされます。以上の3つの中ではAがもっとも適応的なコーピングであるとされ、抑うつや不安、PTSD症状の悪化や物質(アルコールなど)乱用リスクが少ないと言われています。

今回のスタディでは、男女別に17才・24才・33才という3つの横断面でのコーピングスタイルと精神状態とが観察されました。その結果、

①17才の時点で感情志向性コーピングを用いることは大うつ病および不安障害のリスクをやや高めること、

②17才時に課題志向的なコーピングを用いることは物質乱用リスクを低めること、

③年齢が上がるとともにより成熟的なコーピングスタイルをとること、

がわかったそうです。

スタディはここまでで、考えてみると当たり前とも言える内容ではありますが、とはいえ17才といえばまだ思春期の真っ只中。人生の経験値も少なく、双極性障害や統合失調症の初期症状が出現する頃とも重なるような不安定な時期です。このような時期にストレスフルな出来事に遭遇して果たして課題志向的なコーピングができるのか?というと、そうでない場合も多々あることでしょう。

そんな時に町田クリニックのスタッフ一同は、ほっとできる環境の中でじっくりと寄り添い、少しずつクライアントさんの心が癒やされるようお手伝いしてゆきたい、と思い日々研鑽しております。

人生のさまざまな課題に直面している中高校生の方々、どうぞお気軽にご相談にいらしてくださいね。

 

この記事を書いた人
町田なな子

 
略歴)
東京都出身
信州大学医学部卒業
東京医科歯科大学医学部大学院卒業 同附属病院にて初期研修
東京都医学総合研究所にて事象関連電位をテーマに博士号を取得
東京都職員共済組合青山病院・東京都立豊島病院・
東京都長寿健康医療センター・久喜すずのき病院等の勤務
医療法人七星会 南浦和駅前 町田クリニック院長
南浦和東口心療クリニック 統括院長

資格)
医学博士
精神保健指定医
日本精神神経学会 専門医 指導医
日本精神神経学会 認知症診療医
日本医師会 認定産業医

YouTubeでメンタルヘルスや発達特性についてのわかりやすい解説も行なっている

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