睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群って?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸がとまってしまう病気です。10秒以上呼吸が止まったり弱くなったりする事が1時間に5回以上ある場合に診断されます。頻度は意外に高く、中年以降の男性の4%、女性で2%とされます。
舌の付け根や軟口蓋と呼ばれる部分に起動が落ち込んだりして、のどの奥が閉塞して起こります。また、顎が小さく顎が後退している小顎症が原因となることもあります。

主な症状

「自覚症状」

  • 昼間の眠気が強い
  • 集中力の低下
  • 熟睡感がない
  • 寝相が悪い
  • 睡眠中に息苦しいと感じる
  • 朝起きたときに頭痛がする
  • 夜間に3回以上トイレへいく
  • のどの奥の違和感

「他覚症状」

  • いびきがうるさい
  • 寝ている時に息が止まっている
  • 苦しそうな顔で寝ている

メカニズムと合併症

血中の酸素濃度が低下して二酸化炭素がたまることから様々な合併症が高頻度におこるようになります。

心筋梗塞や脳血管障害 健常人の3~5倍かかりやすい
高血圧 SASが原因の筆頭といわれています。

ほかにも、心不全、糖尿病、不整脈、肥満になりやすいです。
交通事故にあう確率が健常人の7倍と言われています。

以上のように放っておくと、高血圧、不整脈、狭心症や心筋梗塞、脳卒中などの発症率が高まってしまいます。このため命にかかわらないうちに治療をはじめるのが大切です。
呼吸状態と動脈血酸素飽和度を同時に測定する事で、無呼吸や低呼吸、重症度の判定が可能です。鼻と指に2つのセンサーを装着後、電源ボタンを押すだけです。

  • 問診でSASが疑われたら、簡易検査のオーダーを出します。1週間以内に検査を請け負う会社から電話で簡単な説明があり検査日の確認を致します。
    ご自宅に検査装置を宅配便にてお届け致します。1~2晩装置を装着して就寝して下さい。終了したら、検査装置を委託業者まで着払いでご返送下さい。

  • 外来診察時に検査結果をご説明致します。

検査結果はAHI(無呼吸低呼吸指数)という数値で表されます。AHIが40以上で眠気などのSASの症状が明らかな場合には、すぐにCPAP(シーパップ)療法の適応となります。AHIが40未満であれば、一晩入院して行う終夜脳波検査を行います*。その結果、AHIが20以上の場合にはやはりCPAPの適応となります。
*終夜脳波検査ができる病院をご紹介いたします。

治療法

軽症の場合 ~生活習慣の改善・マウスピース

軽症の場合は減量、禁酒、禁煙に気をつけます。横向きに寝る、抱き枕を使う、寝具の見直しなども良い方法です。
また中等度以下の無呼吸症の場合にはご自身の顎にあったマウスピースを装着し下顎を強制的に前に出させることで、気道を広げる治療法もあります。
*専門の歯科医による診療と装具の作成が必要になりますのでご紹介いたします。

中等症以上のとき ~CPAP:シーパップ~経鼻的持続陽圧呼吸法

鼻マスクを通して、空気を持続して送り、気道を広げることで、無呼吸やいびきを消失させます。
最も安全かつ確実な方法で、多くの方がこの方法を行っています。
入院検査(PSG検査)で中等度以上の無呼吸症と診断され、月1回の受診をすると健康保険の適応となります。 *a・bの写真を参照

睡眠時無呼吸症候群の診断治療にかかるおおよその費用
  • 初診時の問診:3,500円
  • 簡易検査の結果説明:3,500円
  • 簡易検査:約3,000円
  • CPAP治療と機器レンタル料+月1回の診察:約5,000円